HKIR(香港国際競走)2023回顧~香港マイル~

HKIR(香港国際競走)2023回顧~香港マイル~

香港マイル

結果

1着 1:34.10

Golden Sixty 金鎗六十

J : C. Y. Ho

T : K. W. Lui (HK)

 

2着 

Voyage Bubble 遨遊氣泡

J : J. McDonald

T : P. F. Yiu(HK)

 

3着

Namur 匯兩川

J : W. Buick

T : 高野友和(JPN)

  

   

 地元のゴールデンシックスティが人気に応えての圧勝。香港マイルも香港馬による上位独占となった。ただ、こちらも欧州勢から強い馬が参戦しておらず、概ね予想通りの結果と言ったところだろうか。

この路線でも、香港馬のレベルの高さが目立った。ゴールデンシックスティは最後の香港マイル参戦、そして何よりも地元人気の高さからレース後は大盛り上がりだった。

この馬のすごいところは、一度ピークパフォーマンスを過ぎたと思わせたところから、さらに強くなって復活したところだと考えている。キャリアの前半、連戦連勝で記録に挑んでいた頃のレースぶりは不器用ながらも爆発的な末脚で追い込んでいたあの頃。そして、その追い込みが決まらず前残りを許して連勝が止まった時、誰もがこの馬のピークは過ぎたとみる向きもあった。

しかし、そこからこの馬は側から見ると生まれ変わったような進化を遂げることになる。

まずは、脚質転換によるレースぶりの安定。2022年G1香港ゴールドカップでの衝撃的な3着敗戦の次の一戦、G2チェアマンズトロフィーで12頭立ての4角4番手から抜け出して完勝したのだ。

その後、再び昨年の香港マイル敗戦で「やはり往年の爆発力を失ってしまったか」と思わせることもあった。そして今年。昨年は敗れていたG1香港ゴールドカップでロマンティックウォリアーら強豪を相手に完勝したのである。このレースまで今年はG2の前哨戦を一切使わず、G1のみを4戦4勝という成績。

完璧な馬へと進化したゴールデンシックスティ。騸馬であるが故に活躍したのかもしれないし、恒例になって一段と進化した一因でもあるのだろう。しかし、これほどまでに完璧と思わせてくれる馬の子孫が見られないのは競馬がブラッドスポーツとして、血統選別が一つの大きな目的の競技であることを考えると寂しいと言わざるを得ない。

引退後は、日本のノーザンファームに行くことがオーナーから明かされた同馬。最後に日本で使われることはあるのか、そして何より、引退後の同馬が気軽に会いに行ける存在となることが嬉しくてならない。

 

最後に、日本馬と今後のマイル路線について。かつて、香港に強いマイラーがいなかった一時期、日本馬が結果を残せたこともあった。ただ、日本にこの路線の確たる主役がいない現状では最強馬に太刀打ちできるはずもなく、逆に強豪ひしめく香港マイル路線で揉まれてきた馬が上位入線することとなった。

来季以降、ゴールデンシックスティなき香港マイル路線-日本馬も含めた東アジアマイル路線と言っても差し支えないだろう-は主役を描くことになる。ヴォイッジバブルはまだキャリアも浅く堅実な走りを披露しており、一皮向ければ十分に主役級となれるだろう。果たしてどの馬がその座を射止めるのか。興味は尽きない。

 

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