根本を疑え!コンサル的競馬予想の考え方1

競馬予想にはさまざまな流派がありますよね。

今回は競馬予想における予想手法について検討してみようと思います。

なお、今回はオッズ等を一切考慮していません。オッズを買い目の決定に用いることは有効ですが、それ以前に、各馬の能力比較が必要になると考えるからです。

 

【この記事の要約】

  1. 競馬予想における能力比較とは、能力の絶対値と能力をどれだけ全開にできるかの積で求められる。
  2. 能力の絶対値と能力の全開率のどちらがより能力比較に直結すべきかを考えた上で検討を始めるべきである。
  3. 競馬の予想ファクターには、上記二つの要素の一方に関わるものと双方に関わるものがある。

 

はじめに。競馬予想とは、主にその馬の出走する競走のメンバー中における以下の二つの要素の見極めにかかってくるのではないでしょうか。

  1. 能力絶対値(以下、絶対値):能力の高さ
  2. 能力全開率(以下、全開率):能力をどれだけ発揮できるか。馬場や展開をはじめとする適性と馬の状態から判断される。

単純化すれば以下のような等式となります。

“ある馬の当該競争における能力=絶対値×全開率”

 

この等式におけるポイントは次の一つです。

すなわち、あるクラスにおける個々の競走馬群において、絶対値と全開率のどちらの方がばらつきが大きいかということです。能力値を数字として表すことができると仮定すると、標準偏差が大きいということを意味します。標準偏差が大きい方が等式の結果である能力の、当該競走出走馬集団における順位に大きく影響するため重要です。

そしてそれはレースの条件によって大きく変わってくるのではないかと考えています。

 

例えば、クラスの違いは大いにあります。未勝利クラス、特に新馬戦では各馬の能力の開きが他のクラスと比較して相対的に大きいです。これは、未来のトップホースから未勝利引退馬まで同時に走るわけですから当然と言えば当然です。こういった状況では、全開率はほとんど使い物になりません。「仕上がりがいい」の一点を理由に新馬を狙うことはお勧めできないというわけです。後で触れることになりますが、調教は全開率のみに影響しそうですが、絶対値にも影響する要素ではあるので、調教のいい馬を買うことは新馬戦でもある程度の説得力を持っていると言えるでしょう。

一方で、春先の古馬1勝クラス戦などに至っては、新入りだった明け4歳馬のうち能力を持った馬は抜けてしまっています。つまり、同じようなメンバーで何度も戦うことになるわけです。その上、全馬ともそのクラスを抜けられていないわけですから能力の差も高々知れているというものです。当然能力比較の重要性はなくなります。ここでは、全開率の比率が高くなることは言うまでもありません。

 

また、レースの施行条件も、この比率を変化させるものとなります。例えば、特殊条件では全開率のばらつきが大きくなりがちになります。長距離戦はJRAでは鞍数の少ないレースで、特殊条件です。過去に、ビートブラックやマイネルキッツ、ミライヘノツバサといった驚きの穴馬が優勝したこともあります。彼らはその条件で能力の全開率が他馬との比較において高かったと言うことなのでしょう。一方で、天皇賞・春では勝ち馬は10年間で全て4番人気以内、ステイヤーズステークス・ダイヤモンドステークスでは過去10年で1番人気の複勝率8割を誇っているように、全開率に関わらず絶対値の高い馬は上位に食い込む蓋然性が高いことも忘れてはなりません。

最後に当然ですが忘れてはならないのは、年に多く行われているレース条件では基本的に絶対値が決め手になると考えて大丈夫でしょう。全開率の検討が必要なくなるわけではありません。ただ、東京競馬場などのクセが少ない(と考えられる)全馬が能力をフルに発揮できるコースや、洋芝小回りの北海道などでは、得意としている馬たちが全競走馬群ないに一定数存在しており、彼らが狙ってくることなどが理由として挙げられます。東京競馬場が能力判定競走にふさわしいと言われる所以でもありますし、洋芝が苦手なのに北海道シリーズに参戦してくる馬はいないと言うことです。

 

長く前置きしましたが、この絶対値と全開率にはそれぞれ影響を及ぼす予想ファクターが異なるわけです。予想ファクターとは巷で言われる血統予想の“血統”や指数予想における“指数”、そのほか調教やデータといった、主に予想に用いられる要素のことです(一般的に使われている言葉だと思いますが、念の為、、、。)

ここまでお読みいただければ、勘の鋭い方はお気付きかと思いますが、私は基本的に絶対値重視派です。それはここまで書いてきたように、絶対値はいかなる条件でも予想に欠かせない要素だからです。よって、絶対値を見極める予想ファクターに磨きをかけていけば、そのレースをより正確に展望できると言うことになるのです。

 

と、言うわけで、随分と長々と書いてしまいました。今日はこの辺りにします。次回は絶対値と全開率に影響を及ぼす、予想ファクター個々について、それらの重要性と予想として用いることへの妥当性について検討していきたいと思います。

では、ごきげんよう。

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