凱旋門賞回顧
エースインパクトの圧勝で幕を閉じた本年の凱旋門賞。抜群の切れ味で一瞬で束を置き去りにした。2000m前後での強さからレース前には疑問視する向き(かくいう私も)もあったが、今年のメンバーでは関係なかった。
後からウェストオーバーやオネストなどが続いたことから馬場適性と能力のある馬が力を発揮し、エクスキューズのある敗戦馬はないように見受けられた。また、2着馬はキングジョージ接戦の2着馬というこの路線の王道馬、3着馬はマイル〜2000m路線組で大きな着順だった馬だ。この結果から、2400m路線のレベルの低さを改めて示すこととなった。
幸いにもエースは2000mで活躍してきた馬で、種牡馬選定競争としての価値を高めているジョッケ・クルブ勝ち馬なので、種牡馬としても一定程度の成功を期待できる。また、日本の馬が問題なく走れる馬場だったことなどから、産駒が日本で走ることも期待できそうだ。
また、本馬については、レース後の陣営の対応にも交換が持てた。勝ち馬の多くはパリ・ロンシャン競馬場の最大勢力である日本マスコミ陣に、リップサービスでJC行きを匂わすことがある。この陣営は、キッパリないと言い切ってくれた。種牡馬入りが内定している中で、その価値に負のリスクしかもたらさない日本行きを聞くマスコミ陣が明らかにどうかしているわけだが。
パリ・ロンシャン競馬場の特徴
凱旋門開催の特殊性
凱旋門開催の特殊性は何より、日本色の強さだろう。France GalopのSNSアカウントが日本語で染め上げられるように、会場もさながらフランス展を開催中の東京競馬場のような雰囲気になるのだ。会場内には日本語の案内所がいくつもあり、馬券の買い方ガイドまである。その接待感が凱旋門賞というレースのヨーロッパにおける地位や関心の低下を示しているようにも感じられ、残念だ。”凱旋門症”に罹患した日本という太客からなんとか金を巻き上げんと必死の努力は、欧州競馬を純粋に楽しもうという立場からすると少し寂しい気持ちになるのだ。
スタンド
スタンドの評価はあまり高くない。主にその色使いについてである。金色に染め上げられたそのスタンドは当地のフランス人はもちろんのこと、アメリカ人などからも”下品”と評されている。
パリ・ロンシャン競馬場のスタンド(ゲートから撮影)
パリ・ロンシャン競馬場に行ったならば!
最後に、お勧めスポットの紹介をしたい。
直線1000コースのゴール板である。パリ・ロンシャン競馬場にはゴール板の設定がいくつかあるが、スタンド前の直線に設定されていないゴールがこの直線コースのゴール板である。以下の図のようなルートで辿り着くことができる。
ロンシャン競馬場全体図(https://www.signes-paysages.fr/en/mobile/projet/hippodrome_de_longchamp_paris より)
ラチ沿いから直接見られる大迫力と馬場を歩くことのできる点が自然の中に競馬場を作ったと感じられ素晴らしい。
2022年のアベイユドロンシャン賞(ラチ沿いから撮影)
凱旋門開催でパリ・ロンシャン競馬場へ行かれる際には是非ともこの1000mコースへの訪問をお勧めしたい。
凱旋門賞関連の商品一覧
昨年の優勝馬アルピニスタのTシャツ
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